ビンテージ・サックス セルマー・マーク6 アルトサックスの買取りに行ってきました!
今回は福岡市内のお客様の所へビンテージ・サックスである
セルマー・マーク6の買取りに行ってきました!
<↑カナさんのおじいさんが愛用されていたセルマー・マーク6 フラセル12万番台 アルトサックスです。>
今回は福岡市内のお宅にセルマーのアルトサックス・マーク6の買取りに行ってきました。
こちらのマーク6、シリアル・ナンバーが12万番台なので、1965年頃に作られたサックスです。
このマーク6のオーナーさんは、今回ご依頼頂いたカナさんのおじいさんで他界されているとの事。
おじいさんはキャバレーなどでサックスを演奏するバンドマンだったそうです!
そんな話を伺っていると、カナさんがおじいさんの若かりし頃のお写真を見せてくださいました。
中古サックスには使っていた人の歴史が詰まっている
<↑テナーサックスを吹かれています。マウスピースはベルグ・ラーセンでしょうか。支柱の形状を見るとテナーもセルマー・マーク6のようですね。>
すごい!かなりダンディーでかっこいいおじいさんですね!
写真ではテナー・サックスを吹かれていますね。
プロのバンドマンですからテナーやフルートやフラリネットなどマルチに演奏されていたようですね。すごいです。
今回買取りさせて頂くマーク6のケースも、良く見るとクラリネットが収納できるようになっていますね。
そんなおじいさんにとって身体の一部とも言えるサックスを、カナさんは形見として大事に保管されていたそうなんですが、誰も使う事がなくただ保管しているだけで使えなくなっていってしまうサックスが可哀そう…と思うようになり、「サックス買取ラボふくおか」におじいさんのサックスを託す事にしてくださったそうです。
サックス買取ラボふくおかでは、まずサックスをどうやって手に入れられ、どのように使っていたのか、というお話を聴かせていただいて、そのエピソードも査定評価の対象にさせて頂いています。
サックスの修理や調整はリペア職人によって変わる
そして、今回のカナさんのおじいさんのセルマー・サックスのような、ビンテージ・サックスやアンティーク・サックスといった個体は特に「なるべく当時の姿に復活させ調整してから次のもらい手を探す」という方針でビンテージを長年調整しているベテランのリペアマンさんにお願いするようにしています。
サックスの修理や調整は、音が出れば良いのだから誰がやっても大差ない、と思ってらっしゃる方も多いのですが、私自身は職人さんの腕の違いで楽器のバランスや吹奏感が大きく変わるのを実際に目の当たりにしてきています。
すばらしいサックスが、いいかげんな修理・調整の為に修理不能になってしまってジャンクにするしかない、というケースも何度も見てきました。
そういった訳で、何代にも渡ってずっと使い続けられると判断したサックスは、多少コストがかかっても実戦経験豊富なリペア専門職人さんにお願いするようにしています。
大切な形見の品、しっかり受け取りました
そんな訳でカナさんのおじいさんのサックスは、おじいさんがバリバリ使っていた当時のようなコンディションにしっかりと復活させることをカナさんにご説明しました。
カナさんはおじいさんのサックスが現役に戻る事にホっとしてくださいましたが、手続きを完了して、私がサックス・ケースを手にした時には、ちょっと涙ぐんでいらっしゃいました。
おじいさんのサックスにはマウスピースが2コ残されていたのですが、「1コは次に使う方の為にケースに残して、もう1コのマウスピースは形見として手元に置いておきたいのですが」と言われたので、1つはカナさんにお返ししてカナさん宅を後にしました。
<↑カナさん、しっかりとマーク6復活させます!>
カナさん、おじいさんの大切なサックスを次の方に活かして頂く道を選んでくださって本当に感謝致します。
おじいさんにも喜んで頂けるように、このマーク6はしっかりとオーバーホールして復活させて、次の方に引き継がせて頂きますね。
急なお願いにも関わらず快く撮影に応じてくださってありがとうございました!