ヤナギサワ A-900u を買取させて頂きました
ヤナギサワ A-900u を買取させて頂きました!
【売ってくださった前オーナーさまのストーリー】
約27~28年前、前オーナー様がサックスを始めるにあたって迎えた一本…ということでした。2~3年しっかり吹き込まれましたが、お仕事などで時間が取れず約20年間は未使用期間へ。
その後、2年前にいちどメンテナンスを実施して半年ほど再開されたそうですが、それ以降は保管へ。外観はキズ・サビともに少なく、
ケースはやや経年がありますが実用上は大きな問題なし…ということで、保管期間は長いものの丁寧に扱われてきた来歴を持つ個体です。
【モデルの魅力(Yanagisawa A-900u)】
ヤナギサワらしい整ったイントネーションと軽快なキーアクション、明るい芯をもつ音色が持ち味の900シリーズ。
発音の立ち上がりが速く、弱音でも輪郭が保たれるため、吹奏楽~ポップスまで扱いやすい設計です。
しっかり整備された個体では中低域の“腰”と中高域の抜けが両立し、A-50と比べると1ランク上の音の厚みを感じるモデルです。
90年代に製造・販売されていたモデルですでに生産完了となっていますが、しっかりと調整すれば今でも十分に楽しめる確かな品質を持ったモデルです。
【入荷時コンディション(試奏所見)】
外観は非常に綺麗ながら、初回試奏ではピッチが全体にやや低め、特に「ド」より下の低音が出づらい状態。
運指を伴うフレーズでは音が“こぼれる/ひっくり返る”場面も確認。アトリエ・グラースさんにてその場で細かく確認していただいたところ
タンポの均一な密着が得られておらず微小リークが見られました。さらに一部キー軸にガタつきと油切れが見られ、
キーバランスの崩れが響きの不自然さに繋がっている…ということがわかりました。
【試奏レビュー(調整直後)】
低音は弱い息でも“ふっ”と立ち上がり、中域は明るい芯、高域は抜けと伸びが気持ちよいバランスへ。運指を伴うフレーズでも音の“こぼれ”が解消し、スラーも跳躍も思い通り。工房いわく「プロユースにも届く仕上がり」で、ここから吹き込むほどにさらに鳴りが育つ余白を感じます。
【当店の買取ポリシー】
私たちは「使われてきた痕跡=音の旨み」を尊重して、サックスの本当の良さ~「長年吹き込まれることによって生まれる音の深さ・楽しさ」を皆さんに知っていただくことを最大の目的にしています。
そのために
★前オーナー様の思い出と積み重ねに見合った金額をお出しすること、そして
★次のオーナー様に「新品より使い込まれたサックスの魅力が伝わる」状態にサックスたちを整えること
この2点に力を注いでいます^^