サックス 各メーカーの支柱の違い
今回はサックスのベルと本体をつないでいるベル支柱についてお話します。
支柱とは、ベル部分と本体(2番管)をつないでいる金具の事です。この部分はサックスの各メーカー、そして同じメーカーでもモデルによっていろんなかたちがあります。
ただの金具、とあなどるなかれ。最近はこの支柱のネジだけで洋白製のものなどが音質向上の為に販売されている程、けっこう響きに影響を与える部分だったりするのです。
支柱自体の形状によって響きに差があるかないか、定かではありませんが、時代によって、またメーカーによっていろんなかたちの支柱があります。それでは見てみましょう。
まずはコーンのアルト・サックスの支柱。これは1920年頃のモデルです。まだ「ただの棒」です。(笑)このころから1940年前後のサックスはメーカーに限らずほぼこの形状です。
これはヤナギサワのかなり初期の形状。さっきの進化系?のような感じです。かなり独創的。この頃のヤナギサワはテーブルキーのデザインといい、トーンホールガードがワイヤー的だったりとかなりコーンに近いデザインです。この形のオリジナルは「マーティン・コミッティー」というアメリカン・ビンテージのサックスです。
お次はヤマハ。これも初期のヤマハやニッカン時代のヤマハモデルに多いですね。板状のプレートにメーカーロゴ、という形。
そしてこちらが現在のセルマーの支柱。(スーパーアクション80serie2)
丸い輪を3点締めしています。冒頭で紹介した「白洋製ネジ」は、こういった3点留めタイプに、より有効なようです。
最近増えてきた台湾製や韓国製のサックスも、この形状が多い気がします。(たいていセルマー・マーク6を基にしているので当然ですが。)ちなみにヤナギサワの最新モデル「WOシリーズ」も、この形状を採用しています。
こちらは現在のヤマハの最上位機種「カスタムEX」の支柱。先程のセルマーと似ていますが、こちらは2点締めになっています。
こちらも同じヤマハの「YAS-480」です。先程のカスタムと形状が違います。こちらは音叉のような形ですね。ヤマハはこういった所を積極的に試行錯誤しているようです。
以上支柱についてでした!各メーカーこの支柱パーツはほんとに様々な形状なので、これから注意して見てみると、結構面白いですよ。