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ヤマハ・サックス62シリーズの旧いモデルはカスタム・ネックを付ける事ができるの?

│ 2019年11月25日 │ カテゴリー: 中古サックスの魅力

目次

【ヤマシリーズ・サックス 62シリーズのネック】

最近、ヤマハの初代62や初期型の62にカスタム・ネックを付けたいけど出来るの…?というご質問を耳にしたので、今回はヤマハ アルトサックスの「YAS-62初代モデル」と「YAS-62Ⅱ」を使ってネック交換を検証してみたいと思います。

※今回はアルト・サックスに絞って検証します。

YAS-62初代モデルとYAS-62Ⅱがどういった機種なのか?については、過去記事のこちらをご覧ください。
→「62の見分け方
また、サックスのネックについては、以下の記事をご覧ください。
→「サックスネックを交換するメリットと音の違い。【中古ネックの選び方】

【ヤマハYAS-62の初代モデルにカスタム・ネックは取り付けられるのか?】

上でご紹介している記事の通り、ヤマハ・サックスのネックにはいろいろな種類があります。
過去に本体セットで「標準装備」として販売されたものは…
「G1ネック」…旧タイプと現行タイプあり。旧タイプはYAS-62Ⅱ限定モデル、現行タイプは第3世代のYAS-62とYTS-62に付属。
「M1ネック」…旧タイプのみ。初代YAS-875とYAS-855に付属。
「V1ネック」…現行タイプのみ。第2世代のYAS-875EXとYAS-82Zに付属。
その他にあとで購入して付け替えるために、たくさんの種類のネックを販売しています。

ヤマハの現行カスタム・ネック

(ヤマハ・サックスの公式カタログには載っていないようですが、現在「M1」「F1」「G1」「G2」というバリエーションがあり、それぞれ「ストレート・タイプ」と「カーブド・タイプ」が販売されています。ちなみにカーブド・タイプは型番末尾に「R」が付きます。)バリトン用は現在、販売されていません。

(ここに掲載されている型番、例えば”AV1B”だったら、”アルト用の「V1ネック」のブラック・ラッカー仕上げ”という意味です。)
こういったネック達は、YAS-480から上位のモデルで交換可能となっているので、第3世代以降のYAS-62では検証する必要がありません。
→画像(G1ネック)

ここでのポイントは、「カスタム・ネック(G1ネック)が古い62モデルにも取り付ける事が出来るのか??(カスタム・ネックが標準装備になる前の62モデル)」です。

この条件に当てはまるのが、「初代YAS-62とYAS-62Ⅱ」です。
もし、世界的にビンテージ扱いされているYAS-62初代モデルに現代のカスタム・ネックが取り付けられれば面白い音が出そうな気がしますよね!

【YAS-62初代モデルにG1カスタム・ネックを付けてみる】

それでは早速、初代YAS-62モデルにG1カスタム・ネックを取り付けてみましょう。
→動画

…動画でご覧頂いた通り、G1ネックは62初代モデルの管体にはまるのですが、オクターブ・キィを持ち上げるキィポストの長さが足りず、オクターブ・キィが機能しない事が分かりました。つまり、「62初代モデルに現行カスタム・ネックは取りつけられない」という結果になりました。

【ヤマハ ”旧G1”カスタム・ネック】

次は2世代目にあたる『YAS-62Ⅱ』です。(マニアックな事を言うと、初代62は前期・後期でパーツや音が違うので、個人的には62Ⅱを第3世代と呼びたい所です)カスタム・ネック交換を想定して造られた『G1ネックモデル/第3世代』の1つ前のモデルです。

このネックは、最初のカスタム・モデルの時代に採用されていたネックです。 具体的には

  • 初代YAS-875とYAS-855が旧V1ネック
  • YAS-62Ⅱの後期特別仕様モデルが旧G1ネック

を装備していました。

この時期のカスタム・ネックは、ネックに装飾されているヤマハ・エンブレムの違いで見分ける事ができます。
→画像「旧カスタム・ネック」
試しに62Ⅱに現行G1ネックを付けてみると…ちゃんとはまります!そして問題なく演奏できます。
…という事は、62ⅡにはV1ネックほか、いろいろなヤマハ・カスタム・ネックがとりつけ可能、という事です。(※ただしこれはアルト・サックスの場合です。62Ⅱのテナーは初代62と同じでオクターブ連結部の棒が短いので、旧タイプのネックしか機能しません。)

【原因は、オクターヴ機構】

それでは、なぜ62初代では演奏できないのかというと…2台並べて見比べて見ると原因がすぐに分かります。
ご覧の通り、オクターブ用の支柱(?)の長さが違うんです。
これはテナー・サックスも同じです。初代62や61は、この「ネック接合部より下に支柱がある」ために、現行のネックはどれも使用する事ができないのです。
ちなみに、セルマーやヤナギサワなども全て現行モデルは「ネック接合部より上に支柱が出ている」タイプです。
※ちなみに、YAS-61とYAS-62初代にセルマー・シリーズ2のネックははまりました。
テナーYAS-61にははまりませんでした。(繰り返しますが、ネックがはまってもオクターブが動かせません。)

【まとめ】

ヤマハYAS-62初代を境に、オクターブ機構が変化している、という事で残念ながら「62初代には他のネックをつけられない」事が分かりました。
ただし、アナウンスはされていませんが62Ⅱは他のネックがとりつけられる事が分かりました。
これをきっかけに、ヤナギサワとセルマーのネックについてもそのうち検証してみようと思います。


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